「かぜ引くな」

シニアが若い時と同じように「たかがかぜ」と油断していては大事に至る。

かぜのウィルスが体内に入って粘膜細胞に付着して増殖するまでおおよそ数日を要するというから「かぜかな」と気づいた段階で、安静、食事、かぜ薬、などのかぜ対策を十分にとるとともに、合併症などを抱えている人はできればこの段階で医師の診断を受けるのが賢明だ。

しかし、もっと重要なことがある。

それはこのタイトルにも挙げたように「かぜ引くな」である。

かぜを引かないようにするための教訓が、昔からいろいろ言われている。

例えば次のようなものがある。

(1)栄養バランスの良い食事を取る。

特に良質のたんぱく質やビタミンA、ビタミンCを十分に取る。

(2)日々皮膚を鍛えておく(乾布摩擦等)。

(3)一日一回は適量の汗をかく。

(4)外出から帰ったら、必ずうがいと手洗いをする。

(5)十分に睡眠をとる。

(6)過労を避ける。

(7)部屋の湿度が四〇%以下にならないようにする。

(8)インフルエンザが流行している時は人ごみに出ない。

(9)のどや鼻の粘膜を冷気から守るため、外出時は適宜マスクを着用する。

(大正製薬『風邪ハンドブック』より)

特に心臓病や糖尿病のあるシニアは、風邪に対して最大の注意を払うべき

風邪をひいたとき炎症が治まれば回復するが、この症状が長く続き、いわゆる「こじれた」(炎症が悪化した)場合他の病を併発することが恐ろしい。

「かぜは万病のもと」というわけである。

高齢者の細胞機能は徐々に劣化してゆくために、ウィルスに対する抵抗力が弱く、かぜにかかりやすいだけでなく重症化しがちである。

普通、健康な青年の抵抗力の五〇~六〇%ぐらいしかないといわれるので、約二倍感染されやすいという計算になる。

そのために肺炎などの合併症を起こしやすく、また重症化しやすいのである。

インフルエンザによる死亡率は高齢になるほど高くなる。

それに加えて困ったことに、高齢者のかぜは外に現れる症状が小さく、そのために知ら
ず知らずのうちに進行し悪化してゆく。

例えば、多くのシニアの場合、かぜが悪化して肺炎を起こしていても、熱も出ず咳も少なく気づかないうちに呼吸困難となり救急車を呼ぶ、という例が大変多いらしい。

後期高齢者は心臓病や糖尿病を抱えている人が多いが、これらの病気があるとウィルスの感染を受けやすく、かぜだけでなく持病までも重症化しやすいのである。

したがって、高齢者・シニア、特に心臓病や糖尿病のある人は、風邪に対して最大の注意を払うべきである。