シニア層にとって居住とは、いかに住まうか、あるいはいかに住まえるかが中心であるだけに、問われるのは、暮らしやすいかどうかだが、それが地域との関係で特に浮き彫りにされる。
この場合、暮らしやすさの判定に住宅の広さや設備面が部分的には算定できるが、これらは二次的基準でしかなく、むしろ第1に問われるのが、その地域がいかに暮らしやすいかであろう。
具体的には、住宅の内部ばかりか、外部周辺も含めて暮らしが快適か、安全か、便利かが問題となるので、地域の環境がきわめて大切な要素となっている。
地域とは、コミュニティや自治体などとのとらえかたがなされるが、いうまでもなく共同体を指しており、多くのひとびとが集まって暮らす区画をあらわすだけに、特定の個人にだけ所属したり、所有されたりする性質のものではない。
そして、目にはっきりとは見えないが、生活の集合体を形成しているのが地域であるだけに、そのなかでの暮らし、すなわち居住はソフトウェアに該当することになる。
詳しくは、値段札がつけられた商品でもなければ、個人が払う費用でつくるものではないシステムやサービスを指す。
ソフトウェアに含まれるのは、システムであり、サービスでもある。
実例を示せぼ、商店やスーパー、交通、教育、保育、医療、文化などに関するサービスや設備をあげることができよう。
しかも、これらの組み合わせが有機的であることが、地域の便利さや快適さをもたらしてくれる。
さらには潤いと憩いのための緑豊かな自然や公園などが望まれる。