シニア世代にとって一番大事なのは「暮らしやすさ」

シニア層にとって居住とは、いかに住まうか、あるいはいかに住まえるかが中心であるだけに、問われるのは、暮らしやすいかどうかだが、それが地域との関係で特に浮き彫りにされる。

この場合、暮らしやすさの判定に住宅の広さや設備面が部分的には算定できるが、これらは二次的基準でしかなく、むしろ第1に問われるのが、その地域がいかに暮らしやすいかであろう。

具体的には、住宅の内部ばかりか、外部周辺も含めて暮らしが快適か、安全か、便利かが問題となるので、地域の環境がきわめて大切な要素となっている。

地域とは、コミュニティや自治体などとのとらえかたがなされるが、いうまでもなく共同体を指しており、多くのひとびとが集まって暮らす区画をあらわすだけに、特定の個人にだけ所属したり、所有されたりする性質のものではない。

そして、目にはっきりとは見えないが、生活の集合体を形成しているのが地域であるだけに、そのなかでの暮らし、すなわち居住はソフトウェアに該当することになる。

詳しくは、値段札がつけられた商品でもなければ、個人が払う費用でつくるものではないシステムやサービスを指す。

ソフトウェアに含まれるのは、システムであり、サービスでもある。

実例を示せぼ、商店やスーパー、交通、教育、保育、医療、文化などに関するサービスや設備をあげることができよう。

しかも、これらの組み合わせが有機的であることが、地域の便利さや快適さをもたらしてくれる。

さらには潤いと憩いのための緑豊かな自然や公園などが望まれる。

シニアにとって居住とは「ソフトウェア」

シニア(高齢者)、それも定年退職者にとっては、もはや住まいの問題にかける資金的余裕はとうていなく、そのままでは放置されるか、共同すなわち社会的な解決策を探るかの、二者択一しかないはずだが、スウェーデンにおいては、後者のほうへ向かい、解決が試みられてきたのであった。

そこで居住が住宅と一致しないのは、居住がソフトウェアであるのに対して、住宅とはハードウェアに該当するだけに、根本的な相違性が見られるからである。

住宅とは、ハードウェアの固形物であり、しかも商品として供給されるだけに、代金さえ払えば入手できる利点がある。

だが、商品である以上、支払い能力、すなわち所得や資産力が問われるため、高価な良質住宅へは低所得者ほど手が届かないという欠点も伴う。

ましてや、みんなが直面するはずのライフサイクルやライフステージに即する住宅の住み替えとなれば、さらに個人の経済力が左右してしまうのも、難点として指摘しておかねばならない。

また、住宅商品は大量生産が産業的にも技術的にも可能ではあるが、これも個人の購買力、別の言葉ではやはり個人の消費能力次第となるので、いずれにしても、住宅のよしあしは個人の経済状況と密着するかたちで決まり、住宅を単なる商品として、市場経済の原理だけに任せるかぎり、居住条件の格差縮小がとうてい望めないわけである。

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