シニアと家族の介護

シニア介護については、専ら嫁に犠牲を強いる形で行われてきた家族介護から、社会的介護へと向かっている。

その流れ自体は、否定すべきものではないだろう。

だが、社会的介護といっても、実際には年金は少なく、介護や医療にかかる自己負担費用も大きい。

家族や周囲に暮らす人たちの協力なしに豊かな老後を暮らすことは難しい。

特に、精神的な満足感は、制度的な関係には望みがたい(たとえば、介護ヘルパーにはプロの技を期待できても、それ以上を期待するのは「仕事」をしている相手に失礼だ)。

それは日頃からの人間的な交流があって、はじめて生まれてくるものだろう。

シニアが「家族に迷惑をかけたくない」と考えるのも立派なことだが、家族がシニアの介護を迷惑と感じないくらい深く結びついていれば、もっと素晴らしい。

少なくとも、精神的にはそうした絆が必要だ。

周囲の住人とも、相互にそのような関係が築かれていればろうか。

それが最高の居住環境といえるのではないだろうか。

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シニアを大切にする社会環境、ご近所付き合い

都会では、たとえ持ち家であっても、いつまでも暮らし続けているかどうかは、お互いに分からない。

その不干渉性を、プライバシーの尊重として喜んだのも、われわれなのだ。

もしシニアを大切にする社会環境、ご近所付き合いを欲するのであれば、まずは自分が六十代で元気なうちに、自分自身が率先して、自分の親の世話をするとか、介護やシニアとの交流のためのボランティア事業に参加していくことが必要だろう。

自分が受けるときになってあわてても、世の中、たぶん期待した方向には進んでいない。

シニアに接しておくことは、自分の本格的老後に備えるためにも有効だ。

そうやって他人の世話をすることで、将来の自分の問題を見つめ、上手な介護の受け方を身につけられる。

また、今から周囲に、いっしょにシニアのお世話をする仲間を増やしていくことも有益だ。

自分が先に老化したら、ボランティア仲間はあなたを助けてくれるかもしれない。

地域にそうした仲間を増やしていけば、やがてその地域には新しい介護文化が生まれるかもしれない。

それはなにも人情に厚い田舎である必要はなく、今あなたが住んでいる郊外住宅地やマンションでもやりはじめていいことである。

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海外ロングステイ

現在のところ、日本人のシニア層の海外ロングステイは、英米のコロニアリズムの縮小再生産の域を出ておらず、新しい移住文化を形成するまでには至っていない。

シニア層の海外へのロングステイは、「長期」の滞在ではあっても、完全な移住ではなく、現地で最期を迎えることまでは考えていない人が多いのだ。

海外ロングステイは定年直後から前期高齢者の年齢層までのライフスタイルで、病気がちになったり、日本の風土やそこに暮らす子供たちが恋しくなったりした場合のことや、あるいは、死ぬのは日本で、と考えているとしたら、海外移住の前に、帰国後の生活を予定に組み入れておかなければならない。

しかしそうなると、精神的にも肉体的にも弱ってから、新しい環境に順応しなければならなくなる。

海外に行っていたあいだに浦島太郎になっているので、ずっと日本にいた場合よりも厳しい生活になるのは避けられないだろう。

「田舎暮らし」も「海外ステイ」も、日本国内で都市生活を続けているより経費節減になり、従来の人間関係から解放される、というメリットがある。

しかし、その後帰ってくるのであれば、経済と住環境の不備という問題は、一時的に凍結していただけに、かえって重くのしかかってくることになる。

シニア層の老後の東南アジアへの移住の注意点

バブル崩壊後、ジャパンマネーの威力は衰えたものの、東南アジア諸国では今も日本人が落とす金への注目度は高い。

フィリピンやインドネシア、台湾でも、日本人のシルバー・ロングステイを受け入れる体制が整いつつあるし、中国でも、これをビジネス・チャンスと捉える向きがあるようだ。

ただし、東南アジアへのロングステイの場合にも、英語圏(白人優位国家)での差別とは別の、対日感情を念頭に置いた行動が求められる。

近年の中国における反日デモや暴動は、日本の過去の戦争責任に向けられているだけでなく、昨今の日本人の生活態度それ自体に対しても向けられていると思った方がいい。

アジア諸国にロングステイする場合、そこで日本人は、多くの金を落とす。

それは現地の人々を潤すが、同時に、日本人のマナーが悪ければ、反日感情を煽ることになり、治安の悪化や滞在費用の上昇となって跳ね返ってくる。

そして何より、現地の人々を侮辱し、その尊厳を傷つけることになる。

学園紛争に参加したかどうかは別にして、アメリカ帝国主義の搾取に憤り、金だけがすべてではないと思ったことが一度でもあるシニア層の人なら、「一〇〇〇円でゴルフが出来る」とか「うちにはメイドが二人いる」なんてことを、自慢するようにはならないで欲しいと思う。

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熟年・シニア層がオーストラリアに移住する際に必要となる「リタイアメントビザ」

熟年・シニア層がオーストラリアに移住する際に必要となる「リタイアメントビザ」は、55歳以上が対象で、資産に関しては75万オーストラリアドル(約7100万円)以上、年金を含む年間所得は6万5000オーストラリアドル(約620万円)以上など、四つのうちの一つを満たしていることが条件となる。

つまりお金持ちなら、長くいてもいいというわけだ。

しかもこの金額は、近年、上昇傾向にある。

また、いうまでもないことだが、英語圏で暮らすとなれば、英語を話すことは必須条件となる。

ハワイ、バンクーバー、ゴールドコーストといった辺りには、日本人も多く住んでおり、日本人の医師もいるので、最低限のことは日本語でまかなえるにしても、それだけでは相当に不便だし、余計な出費も必要になる。

「住む」ということは、どこに住むにしても「郷に従う」努力が不可欠だ。

リッチを夢みて東南アジア
一方、アジアではマレーシアとタイの人気が高い。

シンガポールは住居費などの物価が高いが、隣国のマレーシアではわりに安く、しかも英語もけっこう通じる(これはフィリピンも同様だ)。

費用についていえば、たとえばクアラルンプールで暮らす場合、マンションの家賃に八万~一〇万円、食費には三万~五万円、さらに諸雑費を加えても月二〇万円ほどで、そこそこの暮らしが可能だ。

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シニアが余生を暮らす場所

熟年・シニア層を対象にしたアンケート調査では「余生はいつまでも慣れ親しんだ自宅や地域で暮らしたい」という人が大勢を占めているとか。

それを受けて行政も在宅介護の充実をはかり、介護保険を導入したといわれています。

たしかにこの制度のおかげで、介護が必要なシニアを抱える家族は、物心両面で大助かりをしているのは事実です。

しかしシングルで要介護となったシニアには限界があります。

「単身けん」の検討会では、要介護3になったら施設か共同生活に移るほうがよいというのが共通認識です。

ではどこに?ということになりますが、選ぶときはまず自分の性格をよく理解することです。

それも要介護3の認定が出る前に。

心身ともに衰えてからではできない作業だからです。

とくに協調性の有無は大きなカギとなりますので、冷静に自問自答してみましょう。

できれば元気なうちに体験入居をしておくことをお薦めします。

一人で暮らす自信がなくなってきた、気の合った人同士で暮らしたいという人は、

「共生型住まい」といわれる住居をお薦めします。

年々、シニア向けのものが増えています。

いずれ来る要介護期を想定して、建物内をバリアフリーにしていたり、介護保険対応の「グループホーム」に転用できるように建てたものなど中身も充実しています。

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シニア向けの家事支援は便利?

シニア向けの家事支援というサービスをご存知ですか?

毎日の生活は1人で何とかなるけれど、カーテンの洗濯や季節の衣服の入れ替えなど、年に何度か助っ人が必要というとき、プロは強い味方になります。

腰の痛みや骨粗しょう症を気にしながら頑張るより、頼んだほうがスッキリする人向き。

高齢・シニア社会はビジネスチャンスとばかりに、建設業などからの新規参入に沸くシニア対象のサービス。

日々増えつづけていますから、一度リサーチしただけですべて把握したつもりになってはいけません。

どこをプッシュすればどんな情報が得られるかを押さえておけば、いつでも簡単に最新情報が得られます。

たとえばNPO法人「市民福祉団体全国協議会」は、インターネットのホームページで、どこでどんなサービスが受けられるかを紹介しています。

また、頻繁に変更される制度の情報も随時掲載しています。

各地域の社会福祉協議会にも情報がもりだくさんです。

内容や親切度は地域によって異なりますが、一度尋ねてみてはどうでしょう。

何でもとりあえず自治体の福祉の窓口へ問い合わせる人がいますが、あまりよい探し方とは思いません。

失礼ながらその担当者がその件のベテランとは言えないからです。

ひょっとしたら昨日着任したばかりかもしれないし、臨時の人かもしれません。

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人さまの手を上手に頼る賢いシニア

脚立を使って出し入れしていた天井近くの棚の中、換気扇やエアコンの掃除、椅子に乗って手を伸ばせばできていた電球の取り替えなどは、加齢とともにつらくなってきます。

ある熟年女性は同好会の若い男性たちを自宅に呼び、お茶の接待だけで用を足していましたが、回数が増えてきたので、有償ボランティアか家事サービス会社に切り替えようと思っているそうです。

住宅団地の自治会や商店街などが中心になって、各地にNPOや家事支援グループがあります。

地域の支援センターや女性センターなどの職員に尋ねてみましょう。

商店街や自治体の市民生活課でもよいでしょう。

買い物のお手伝いについては、重い水やジュース、醤油などは宅配が便利。特売日にまとめ買いし、配送を依頼しては?

スーパーだけでなく、商店街でも200~300円で宅配してくれるところがあります。

ある熟年男性はキッチンまで運んでもらっているそうです。

お礼はお茶かコーヒー缶。

でも嫌な顔をされたことがないとか。

同じ人が配送に来たときは、すすんで運んでくれるそうです。

掃除のお手伝いもそうです。

指先に力が入りにくくなると汚れがたまりだすキッチンの水まわり。

カビや水アカをとるのは案外力がいる仕事です。

毎日心がけていてもーヶ月ほどすると汚れが気になってきます。

そんなときにプロの手を頼るのも、熟年・シニア世代の賢い生き方の一つです。

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日野原さんから学ぶこと

「生き方上手」といえば、聖路加病院の医師・日野原重明先生が思い浮かびます。

いつまでもお達者で好奇心あふれ、人々から絶大な信頼を受けていらっしゃいます。

高齢にもかかわらず、重要なポジションでのお仕事を続けるかたわら、ボランティアも務め、趣味の会のリーダーをやり・・とご活躍には際限がなさそうです。

100歳を過ぎていらっしゃる聞けば驚くばかりです。

しかし日野原さんのように才能に恵まれていなくても、運に恵まれていなくても、幸せに生きた人がたくさんいらつしゃいます。

その方々はどうして幸せなのかと想いめぐらせたところ、ひとつだけ見つけました。

それは「仲良く生きる術を体得している」ということです。

他人をあてにしない、他人の話を聞く、他人に少しずつ知恵を借りる、他人に自己を押しつけないといった生き方が見えてきました。

高齢期・シニア期には1人暮らしが当たり前になってきた今、自立して生きるには、他人と仲良く生きることが不可欠です。

でも、仲良くおつきあいしたいと思っても、要求が多い人とはうまくいきません。

そこで、「少しずつ薄く、多くの人たちの手を借りて生きていこう」と提唱されています。

幼少時の自立とは、できないことをひとつずつできるように努力することですが、老齢期の自立は、ひとつずつできなくなっていくことを、他の方法に置き換えていくことです。

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